独立行政法人の自動車事故対策機構による衝突安全基準テストの結果、国産車で最も安全なクルマにマツダの『CX-8』が選出されました。
これは、自動車等の安全性能の評価・公表を行う事によって利用者がより安全なクルマを選べる情報提供を旨とする物で、衝突安全評価と予防安全評価の2点による自動車アセスメントを行う物です。
今回行われたテストの結果、衝突安全、予防安全の両方において『CX-8』が最高点を獲得し、その安全性の高さを証明しました。
以下のランキングは次のような結果になります。
1位 CX-8(マツダ) 193.9点
2位 CX-5(マツダ) 187.3点
3位 CH-R(トヨタ) 185.8点
4位 N-BOX(ホンダ) 184.1点
5位 ジャパンタクシー(トヨタ) 182.9点
マツダが上位2つを独占し強さを見せる一方、『N-BOX』が軽自動車で唯一ランクインしている点が象徴的だと言えます。
これらの情報はクルマ選びの際に非常に重要だと言えますが、一方において鵜呑みにすると危険でもあります。
このような安全性能調査は様々な団体によって行われていますが、共通して抜け漏れているのが、『後方からの衝突実験』です。
今回のテストでも、後方衝突時の搭乗者の体の動きに関する検証は行われていますが、実際に後方からクルマが衝突した際の『車体の損傷実験』は行われていません。
最近の軽自動車及び3列シートのクルマは車内空間の確保の為後列シートがリアハッチの間際に設置されています。
実際、軽自動車などは後席に座り、少し座面を倒すと、リアハッチに頭が当たる構造になってますし、3列シートの最後列も同様です。
あくまで予想ではありますが、このような実験では” 意図的 ”に後方からの追突実験を削除しているものと思われます。
当然、各メーカーは、その実証データを持っているはずですが、公表はされる事はありません。
また、車種によっては『サイドエアバック』がオプションであったり、設定すら無いという状況です。
(特にダイハツは過去にオプション設定があったモデルさえ、それを無くすという企業姿勢には疑問を感じずにはいられません。)
サイドからの衝突事故で一番危険なのが、ピラーや窓ガラスに頭を強打してしまう点です。
どれだけボディーが頑丈でもエアバックが無いと無意味なのです。
私達は、これらの情報を提供している団体が業界団体であったり、国の外郭団体である事を認識する必要があります。
アメリカの『コンシュマーレポート』のような独立した消費者団体は、少なくても自動車分野では存在しません。なぜなら、全ての車種に複数の衝突実験を行うと、莫大な車両購入費が必要だからです。
もちろん、情報自体の信憑性は担保されていますが、全ての情報が公表されている訳ではないのです。
仮に軽自動車の後方衝突実験を公表するとなると、その販売に大きな打撃を与える事が予想されるからです。
重要な事は自分や家族の安全を保障するのは自分しかいないという事です。
世の中には様々な情報が氾濫していますが、どの情報を重要視するかによって結論は変わります。
安全と利便性、それらのバランスを上手く融合させる判断が求められるのです。
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