クルマ屋をやってると避けては通れない道があります。
それは、『お役所』とのお付き合い。取分け、車庫証明を管轄する『警察署』と自動車の陸運局を管轄する『陸運局』、この2つとの関係性は非常に重要だと言えます。
ここの関係性次第で、仕事の進み具合が大きく違ってくるのです。
日本が世界に誇る『車庫証明制度』。
駄目な役人を食わすために作られたのかと思いたくなる同システムですが、未だに原始時代かと錯覚する程のバカなシステムを維持しています。
この為に、我々は日夜膨大な量の書類を作成します、そして、カメのようにスローに動く彼らをひたすら『待つ』という苦行を強いられるのです。
車庫証明の書類を書いた事のある方ならご存知だと思いますが、無意味に車検証の内容を書き写し、地図を作製。それに高額な『印紙』を買わされた上、警察に提出します。
彼らは何とそれを全て人力で現地に赴き、チェックしてから書類を発行しています。(交付まで1週間)
データベース化すれば、これらの手間の殆どは無くなりますし、一体、この現地を確認するという『馬鹿げた』作業にどれだけの人員とコストを掛けているのか、恐らく全国的にみると膨大な金額となる筈です。
(恐らく少なくても1年間で1000万通以上の車庫証明書類を処理してると思います。)
買取店や中古車販売店では、お客さんから買い取ったクルマは全て自社の名義に変更する『自社名変』という作業を行います。これは、前オーナーの情報を守る為と、クルマの場合は『印鑑証明』と『実印』という秘匿性の高い書類を預かる為、それを第3者に渡す事を防ぐ為には必要な作業なのです。
大手買取店となると月に100台以上のクルマを『自社名変』しますが、それら全てに通常の車庫証明書類の作成が必要になります。
毎回、束になった膨大な書類と手数料が必要になるのですが、結構な確率で『バカな』役人に当たります。
まず、挨拶しても返さない。こちらさえ向かない人間さえ居ます・・・。
敬語どころか、高圧的な話し方をされて『ムカッ』とくることも度々です・・・。
(全てとは言いませんが、警察官の場合は新卒でそのまま警察官になる確率が高く、社会経験が少なく常識が通用しない方も多いです。職務上でしょうか、他の役所よりサービスという概念が希薄です。)
ちなみに、今の私の担当地域の警察署はかなり良くて、受付の担当者も愛想よく気が効くんで助かってます。
たまに、書類に不備があると交付の際に、ここ直してくれる?って感じでそのまま交付してくれますけど、たちの悪い担当だと、訂正後、さらに1週間待たされます。そういう時の為に電話番号書いてるんだから電話してこい!! って本気で喧嘩になった事も過去にありました・・・・。
これら『苦行』に耐え無事に車庫証明書類をゲットすると、今度は新たな『役人』、陸運局と対峙する事になります。
ここでも、膨大な書類の作成が必要になるのですが、コンピュータ全盛の現代に於いて、役所では全ての物事が手作業で進行します。鉛筆を持った担当者が1つ1つチェックして、次の部署に引き渡す作業が永遠続き、我々はただ椅子に座ってそれを待つのです。
特に、車検と登録が頻発する3月などは1日仕事です。
書類を待つ大勢の人混みの中、朝から夕方までひたすら書類を待っていないといけません。
陸運局のバカげた制度の最もたる物が『車両の持ち込み』制度です。
これは、ナンバーを変更する場合は書類だけでなく車両まで持ち込まないといけない、というルールです。
はっきり言って、この制度に関わる手間は膨大です。
例えば、先ほどの『自社名変』の場合、都道府県によっては何種類も管轄が別れている地域があります。
東京なら『品川ナンバー』『足立ナンバー』『練馬ナンバー』など店の所在地と異なるナンバーのクルマを買取る事は珍しくありません。その度にナンバーが変わるのですが、1度に乗れるクルマは1台ですので、台数分、陸運局との往復を余儀なくされるのです。
まだ、陸運局が近ければ良いですが京都のように縦長の地域は、仮に日本海側の『舞鶴』から陸運局に行こうとすると、高速を使っても片道2時間を要するのです・・・。
登録を済まして納車整備をすると、それだけでかなりのコストが発生します。
ですので、簡単に『返品』を受け付けられないというの現状なんです。
特に地方納車の場合は、実際に現地に車両を持ち込んでるので往復の交通費だけでもかなりの額なんです。。。。
先でご紹介した先進的な販売システムが日本では機能しない、というのはこのような『規制』が要因になります。
この馬鹿げたシステムを維持する為に、日本は膨大なコストを掛けています。
それは、ただ役人を食わす為だけに存在してるシステムなんです。
そして、そのコストを負担しているのは『消費者』に他なりません。
この『規制』が無くなればクルマの販売はもっと少人数で出来ますし、人件費が減ると安く販売する事が出来ます。
何かと雁字搦めな業界で、どこから正せば良いのか分からなくなりますが、この膨大な『手間』と『コスト』を無くさなければ、クルマはどんどん生活からかけ離れた存在となる筈です。
という文章を今、陸運局で書類を待ちながら書いてみました。
ちなみに、まだまだ書類が交付される気配はありません・・・。
ホント、イヤになるよ。。。。
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