今や国内シェアが40%に迫ろうとするハイブリッドカー市場ですが、意外と知られていない事実があります。
それは、ハイブリッドカーではバッテリー上がりのクルマの救援(ジャンプスタート)をしてはならないという事です。
仮に、ハイブリッドカーでジャンプスタートを行った場合、救援車のハイブリッド・システムに重大なダメージを与える可能性がある事を認識すべきです。
通常のガソリン車には12Vの補機バッテリーが搭載されています。
一方、ハイブリッド車には、同様の12V補機バッテリーと、駆動用バッテリーの2つが搭載されています。
(たまに、ハイブリッド車はバッテリーが上がらないと思ってる方がいますが、エンジンスタートは補機バッテリーを使用している為、ガソリン車同様バッテリー上がりは発生しますので、注意が必要です。)
補機バッテリーが搭載されているならジャンプスタートは可能だと思われがちですが、残念ですが、ハイブリッドカーでの救援は出来ません。
その理由は、ジャンピング・スタートの際はブースターケーブルを繋いだまま故障車のセルを廻しますが、その際に発生する『大電流』にあります。
一般のガソリン車は、それに耐えられる設計になっているのですが、プリウスなどに代表されるハイブリッド車にはセルモーター自体がないのです。
その為、ライトやナビ、コンピュータなど小電力で稼働する部品のみの構成となり、バッテリー系は一般車と比較すると脆弱な設計となっているのです。
そのようなシステムに大電力が流れると故障する確率が高くなる訳です。
ただ、このような理由ですので、助ける事は出来ないですが、自らがバッテリー上がりの場合『助けて貰う』事は可能な訳です。(若干身勝手な気はしますが、、、、)
それでは、ハイブリッド車には『打つ手』がないのか?
時間は掛かりますが、対処する方法はあります。
要は、ケーブルを繋いだままセルを廻さなければ良いのです。
具体的には、ケーブルを故障車のバッテリーに繋いだまま約30分放置します。そうする事により故障車の12Vバッテリーに充電されますので、ケーブルを外した後、エンジンを掛ければ良いのです。
最近のクルマは性能の向上によりメンテナンス性が格段に向上しました。
ただ、その事がユーザーの知識不足をエスカレートさせている事も否定出来ません。
以前に取り上げた『パンク修復キット』の使用法や、ディーゼル燃料の知識など、知らないが為に大きなトラブルに発展する事も珍しくありません。
最近は単なるスペアタイヤへの交換などにJAFを呼ぶ方も増えているそうですが、いくらクルマが便利になっても最低限の知識は備えておく必要があるのです。
あまりクルマの取扱い説明書を見る機会は少ないと思いますが、そこには最低限の注意点が記載されていますので、一度お読みになる事をおススメします。
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