ユニークなデザインに広大な室内空間。カングーはまさに唯一無二な存在であると言えます。
一見、日本に良くあるワンボックススタイルに見えますが、中身は完全に別物です。これはただ人生を楽しむだけに作られた車であり、アウトドア好きな方にはぜひ乗って頂きたいクルマなのです。
カングーのウリはその荷室の広さと使い勝手にあります。バイク・ペット・キャンプ用品、何でも載せられるその広大な荷室は他車を寄せ付けません。
良くカングーというと『フランスのバンでしょ?』という答えが返ってくる事が多いが、それは誤った認識です。確かに、同車は『エクスプレス』というバンの後継車として登場したのは確かですが、その後、乗用車とバンタイプに派生し、明確にコンセプトを分けて設計されているのです。
ただ、確かに今までのカングーは少し敷居の高い存在だった事は否めません。それは、トランスミッションの問題ですがMTを搭載したものが多く、ATのものは4速という必ずしも乗りやすい存在ではありませんでした。
また、リアシートがキャプテンシートだった為4人しか乗れず、日常ユースでは使いずらかったのです。
ただ、現行タイプにおいてATは6速となり非常に乗りやすくなりました。依然MTが人気という面もありますが、1.2リッターのターボエンジンとの相性も良く、非常にトルクフルで乗りやすいクルマだと言えます。
シートに関してもベンチシートに改められ5人での乗車が可能になりました。
まず、車内に乗り込んで驚かされるのがその収納の多さです。乗る人間の事を非常に考慮して設計されているのがよく分かります。
実は私は以前3年程このクルマに乗っていた事があり、思い入れは強いといえますが現行と比べた時かなり乗り味が変わっている事に驚かされました。
以前の物は特に後輪の足回りが何か落ち着かないというか、ある程度重い荷物を載せて走るという事を前提にセッティングがされているという印象がありました。
現行車に乗ってみると、それとは比べ物にならない位乗り心地が向上しているのが分かります。直進安定性は素晴らしく、背の高いクルマに関わらずロールも上手く封じ込めています。
このクルマの良さはどれだけ言葉を尽くしても伝わらないと思います。
高級感がある訳でも無く、走りが秀でている訳でもありません。ただ、自分にとってこれ程リラックス出来るクルマはありません。何か非常に癒されるんです。
釣りとキャンプが趣味の私はまさにこのクルマを"使い倒し"ました。
ある時はテントやバーベキュー用品を詰め込み、ある時は夜釣りで車中泊と言った具合です。125ccのバイクを積んで旅行に出た事さえありました。
正直、これ程オーナーのわがままに答えてくれるクルマは無いと断言出来ます。
利便性とデザイン性をこれ程高い次元で融合したクルマは少なくても国産車には見当たりません。一見地味なクルマに見られがちですが、乗って初めてその真価が分かる、カングーはまさにそんなクルマなのです。
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