世界一と言われる起業家が提唱する渋滞解消法が素晴らし過ぎる。

 

EVの最先端を行く『テスラ社』の経営しながらも『スペースX社』のCEOとして宇宙開発まで手掛けるイーロン・マスク氏がロサンゼルス郊外にあるスペースX社の敷地内で大きな穴を掘り始めました。

 

彼が思い描く未来は、何層にも張り巡らされた地下トンネルを利用して自動車を高速輸送する、まさにそんな世界なのです。

 

これだけだと単なる地下トンネルだと言われそうですが、それは違います。

未来のクルマは街の至る所にある専用エレベーターから地下に入ります。

 

 

そこではクルマは自ら走るのでは台車のような物に乗せられて時速200㎞の速さで移動します。このシステムによってロサンゼルス国際空港からスペースX社までの16㎞をたった5分で移動出来るというものです。

 

 

一見、突拍子も無いアイデアのように思われる方も多いと思います。

なぜなら、地下トンネルを掘るという事は膨大な費用と時間を要するからです。その為、専門家の間では一笑に付す意見が多数存在します。

 

事実、現在の地下鉄工事に掛かる費用は1マイル(1.6㎞)辺りおよそ10億ドル。

計画実現の為には、このコストパフォーマンスを最低10倍に引き上げる必要があると言います。

 

ただ、この問題を解消するには2つの事をするだけで10倍良く出来るとマスク氏は考えています。

 

1つは、トンネルの直径を半分か、それ以下にする事。

 

普通のトンネルは1車線で8.5mの直径が必要だと言われています。これは、クルマが出す排気ガスの換気などの設備が必要だからです。しかし、台車に乗せる事により排気ガスをカット出来る為そのような設備は必要無くなるのです。

 

現在、マスク氏が想定する直径は3.6m。

直径が半分という事は断面積は1/4になります。掘削コストは断面積に比例するので、これでコスパは4倍になります。

 

 

2つ目は掘削機のイノベーションです。

 

現在の掘削機は掘る作業と壁を補強する作業が別々に行われています。これを同時に出来る機械を開発する事によりコスパが2倍になり、尚且つ機械自体をパワーアップ(2~5倍)すれば目標達成は十分可能だと言うのです。

 

実は、もう実験機は開発済で現在の掘削中の地下トンネルの画像をマスク氏はツイッターで公表しているのです。

 

 

まだ、実用段階には遠いですが少なくても彼は本気です。

 

多くの人が考える未来はドローンなどに代表される『空の交通』です。ただ彼が言うには頭の上を何千台ものクルマが飛び交う世界は不安で仕方ないと言います。個人的にもこれには同意しますが、この画期的な地下システムが出来れば多くの渋滞が解消される事になります。

 

今は単なる突拍子も無いアイデアですが、30年後にはこれが普通になってるかもしれません。技術革新なんて案外そんなものだったりします。

 

彼がEV車専門会社『テスラ』を立ち上げた時は多くの評論家が否定的でした。それが今では殆どのメーカーがそれに取組み、ついにはGM社を抜いてアメリカの自動車メーカー最大の時価総額を達成したのです。

 

未来は誰にも分かりません。

でも彼は常に『ワクワク』を与えてくれる起業家です。どうなるかは分かりませんが計画の進捗が気になって仕方ありません。彼が夢見る未来に期待したいと思います。