日本や欧州メーカーを中心に開発を進めている『燃料電池車』。
その最大のネックと言われた燃料の輸送と貯蔵に関し、オーストラリアの研究機関が画期的な技術を発明し、その実用化に大きな可能性を示しました。
今回、オーストラリアの研究機関が開発したのは、アンモニアから水素を取り出す技術。これにより、安全なアンモニアの状態で輸送を行い、現地で水素を生成する事ができ、より安全な運用が出来るようになりました。
今回の実験では、実際に精製された高純度の水素燃料を、トヨタが開発した燃料電池車『MIRAI』に搭載して、実際に走らす事にも成功した模様です。
これにより、最大の課題とも言われた水素燃料の輸送・貯蔵が可能になり、実現化に向けて飛躍的に前進する事が期待されています。
燃料電池車は、電気自動車と違って数分で燃料の補給ができ、巡行距離も2倍近い。
何より、電気自動車は高速での巡行では、急激に電気を消費してしまい燃費が大きく悪化する特性があります。
現在でも一部の区間で速度無制限での走行が許されるアウトバーンを抱えるドイツや欧州メーカーが必死に燃料電池車の開発を進めるのは、超高速域での走行において相性が良い、という理由からでした。
今回の発明で、水素燃料の生成コストが劇的に下げる事が出来るようになり、石油の代替品、としての価格競争力が飛躍的に高まりました。オーストラリアでは、『水素』を輸出産業として育成する事を視野にいれており、トヨタも2019年より燃料電池車『MIRAI』を、オーストラリアに輸出する方針を示しています。
また、トヨタは燃料電池搭載のトラックを開発し、現在カルフォルニア州での実証実験を行っています。
この18輪大型燃料電池トラックは、『MIRAI』の燃料電池2基を搭載し、670馬力以上を発揮します。毎日、長距離を運行し、燃料の補給を頻繁に行うトラックは、燃料電池との親和性が高く、その実現に大きな期待が寄せられています。
20年以上の開発を続けてきたトヨタにとって、この技術は一つの転機となる可能性を秘めています。
インフラの整備は大きな課題ですが、石油会社との合弁会社の設立など着実に歩を進めています。電気自動車では、テスラや中国企業に大きく遅れをとった感がありますが、この分野での挽回を期待したいと思います。
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