時速654㎞オーバーで検挙 !?
実はコレ、ベルギーのある男性に起こった不幸な出来事でした。
彼が愛車で走っていたところ、道路に設置されていた取締り装置が、男性のスピード違反を検知。
後日、自宅に送られてきた『違反切符』が冒頭の写真になります。
それによると、彼は制限速度50㎞の道路を何と694㎞という有り得ないスピードで走行。
補正後の数値で654㎞のスピード違反に問われたのでした。
ちなみに、彼が乗っていたクルマは『オペル・アストラ』。
当たり前ですが、現在の市販車のスピード記録が430㎞程ですので、このクルマが600㎞ものスピードが出る訳がありません。
コンピュータのエラーを調べた結果、速度は60㎞程だった事が判明したのでした。
この件は非常に分かりやすい事例だった為、罪に問われる事はありませんでしたが、実はこの『自動速度取締り機』、日本では通称『オービス』と言われる機器の誤作動は、実際に起こっているのです。
ただ、取り締まりは機器が正常に機能している事を前提に行われますので、裁判でその『誤作動』を証明する事はかなり困難を伴います。
10年前位までは、この『誤作動』を争う裁判は頻繁に行われましたが、最近は判例から、それを覆す事の難しさが認知され、泣き寝入りする事が多いと言えます。
実際に裁判で『誤作動』が認定された判例では、搭載されていた『タコグラフ』のデータが勝訴の『決め手』となりました。
この手の裁判の難しい所は機器の異常を被害者が証明しなければならない点にあるのです。
では、なぜこのような冤罪が生まれるのか?
それは、計測方法に問題があると言えます。
現在、主流の取締り機に『ループ・コイル式』というものが有ります。
これは、地面に埋め込まれた3つのコイルに弱電流を流すことにより『磁界』を発生させます。
クルマが通るとその『磁界』に変化が生じる為、ある一定の変化率が起こるとスイッチが入り撮影される仕組みになります。
ここで問題となるのが、この方法では『個体識別』が出来ないという点です。
仮に、一番目のコイルを通過した際に別の追い抜き車両が先に3番目のコイルを通過したとします。
この時、機械は1番目と3番目を通過した車両が同一車両だと認識してしまうのです。
オービスは機械である以上、誤作動は起きます。
しかし、現状において私たちがそれを防ぐ方法は多くはありません。
ただ、オービスの場合光れば即『免停』、そして、高額な罰金が待ち受けています。実際に違反したなら納得も出来るかもしれませんが、冤罪ではそれも難しいでしょう。
我々にとっては頭の痛い問題ですが、今のところは巻き込まれないよう祈るしかありません。。。。
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