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移動式ガソリンスタンド実用化に向け実証実験が開始。

 

 

現在地方都市を中心に問題となっているのが、ガソリンスタンドの減少です。

ピーク時には6万カ所あったGSは今や全国に3万4千箇所と2/3まで減少している構図です。

 

原因としては、少子高齢化や人口減、クルマの燃費向上などが挙げられますが、弱り切ったGSにとどめを刺したのが、2,011年に施行された消防法の改正でした。

 

これは、40年以上経過した燃料貯蔵タンクの改修を義務付けるものでした。

通常改修には1基辺り100万円以上、軽油・灯油等のタンクなども合わせると大きいところでは1000万円以上の改修費が必要になり、それを工面出来ない企業は廃業に追い込まれたのでした。

 

 

 

 

この影響は、クルマの存在が不可欠な過疎地で特に顕著に表れ『ガソリン難民』と呼ばれる問題を引き起こしました。

 

実際問題、GSが3箇所以下の『GS過疎地』と言われる地域は265地域にも及び、1箇所も無いという自治体が8町村存在します。日々の移動はもちろんですが、地方の場合は農業機械への給油にも影響する為、生活に大きな支障が生まれています。

 

 

これを解決する手段として生まれたのが、『移動式ガソリンスタンド』です。

具体的には、タンクローリーを巡回させ、そこから直接自動車に給油する方法を採用する予定です。現在に於いて、この直接給油は消防法で禁止されていますが、規制緩和を経済産業省から所轄の消防庁に働きかける予定です。

 

 

私自身、サラリーマン時代は自動車関係のコンサルティングの仕事をしていた関係で多くのガソリンスタンドを相手に仕事をしてきました。彼らは、コンビニ、カフェなど様々な併設店舗などで事業性を高めるべく奮闘していますが、正直かなり厳しい状況と言えます。

特に、最近はセルフ方式が普及してきた為、資金力の無い中小企業は生き残る事が出来ません。

 

一方において、社会的インフラとしての役割を担う以上、過疎地に関してはある程度の行政の援助は不可欠です。

この移動式ガソリンスタンドは、低コストでの運営が可能ですが給油できる台数が少ない為、採算面では問題が出てくる可能性があります。その際、行政がどれだけ積極的に関われるか、そこが重要になってくると言えるでしょう。