オークションでクルマを買い間違う??そんな馬鹿いないだろ。。。
皆さん、そう思うと思います。
でも、断言出来ます。クルマ屋を多少長い間やってる人なら絶対1度は経験するもんなんです。
まさに悪夢。。。冷汗が止まらない瞬間です。。。
では、何でそんな不幸な事が起こってしまうのか??
それは、オークションのセリの仕組みにあります。
通常、オート・オークションでは1日に膨大な数のクルマの競りが行われます。大きい会場なら1万5000台とかいう台数なんです。その為、数台の『競り』が同時進行で行われます。
上の画面を見て貰えれば分かりますが、競りをする席を通常『POS席』と言いますが、そこにあるディスプレーで競りの状況を映し出して両端の黄色と緑のボタンで入札する仕組みです。写真ではボタンは2つしか映ってませんが、通常は競りを行うレーンの数、もしくは最低4つは存在します。ちなみに日本最大のオークション会場は12レーンありますので、12台の競りが同時進行で行われているのです。
もうお分かりだと思いますが、競りでは自分の目当てのクルマを端末に写し、『正しい色のボタン』で入札を行う必要があります。
しかし、ボタンの数が多すぎてたまに間違うんです。
すなわち1レーンの競りを画面で確認しながら、2レーンの応札ボタンを間違って押している状況ですね。
通常、落札すると『落札音』やアナウンスが鳴り、画面に落札の表示が現れます。その時点で自分が間違った『ボタン』を押していた事に気付きます。この時ばかりは流石に声が出ます。。。何て言っても数百万円の買い間違いですから。。。
ボーっとしてるからだよ!!って思われるかもしれません。
しかし言い訳させて下さい。オークション業務ってある意味すごい過酷なんです。
通常、オークションは9時に始まりますんで、8時位には会場に到着して落札車両の下見をします。
(会場は広い敷地が必要な為、海の傍や山奥にありますから、家出るのは2時間前とかになります。)
実際に自分の目で見て、エンジンを掛けて30分以上掛けて確認するんです。
冬なんて、もう最悪です。冷たい海風に晒されながらの下見、雨なんて降ったらそれこそ泣きたくなるんです。
そこから建物内に入り、競りの開始です。当然ですが、建物内は外とは違い空調も整い快適な空間です。会場では食事も無料で振舞われるのでまさに天国なんです。
ただ、競りの時間が長い為、極端な話をすると自分の希望車種の1台目の競りの時間が朝9時で2台目は夜中の1時みたいな事が普通に起こる訳です。その間、パソコンでの事務作業やネットサーフィンなどで時間を潰しますが、正直眠気との闘いです。なんせ、朝は5時に起きてますんで猛烈に眠い訳です。
冬とかは室内はポカポカで、眠気が止まりません。お腹も膨れて、実際に寝落ちしてしまい気付いたら自分のクルマの競りが終わってた、何て事も1度や2度ではありません。
そういう感じで競りに突入すると、違うボタンを握ってた。。。という事になる訳です。
さて、そういう場合の対処法は2つしかありません。買うか、キャンセルです。
ただ、無かった事に。。。何て事は出来ませんから、当然キャンセル料が掛かります。その額通常5万円!!
まっ、大体はキャンセルするんですけどね。。。。
ただ、1日を費やし5万円取られると、ショックは甚大です。帰りたい。。。。シミジミそう思います。。。
こんな感じで間違いは起きてしまいます。
私自身、過去3度やらかしましたが、恐らくこれからも起こるでしょう。
まっ、私は自分の会社でやってるんでまだ良いですけど、サラリーマンの人は大変だと思います。始末書で済めば良いですけどね。。。。
コメントをお書きください