年々室内空間が広くなる軽自動車。特に後席の足元スペースなど3ナンバーのセダンを凌ぐ車種まで存在します。
ただ、ここで疑問に思うのは長さ3.4mという制約条件のある軽自動車の規格で、なぜ3ナンバーセダンより広い室内空間を確保できるのか?という点です。
冒頭の写真、現在の標準的な軽自動車の画像です。
最近の軽自動車は室内空間を確保する為、ボンネットをより短くして、後席を出来る限り後ろに下げる設計になっています。
中には、後席にスライド・リクライニング機能を設けてる車種まであり、リアハッチと後席の距離が極端に短くなっているのがご覧いただけると思います。
仮にこの状態で車体の高いワンボックスカーやトラックに衝突された場合、衝撃を吸収する部位が存在しない為、甚大な結果を招く事になります。
しかし、多くの方は自動車メーカーがちゃんとテストしてるんだから平気でしょ?と思うかもしれません。
結論から言うとそれは間違いです。確かに規定の衝撃テストは存在します。それは時速35㎞で後方から追突される事を想定した実験内容です。
ただ、この実験内容には大きな欠点があります。それは、後方車をセダンなどの低重心の車両を想定している点です。
この場合、フロアの車両の最も硬い部分に衝撃が伝わる為、まだ可能性はあります。
一方、ワンボックスやSUV 、トラックなどの背の高いクルマが当たった場合、薄いフェンダーでその衝撃を吸収するのは不可能です。
皆さんもご存知の通り、セダン不人気の現在において実際遭遇するのは後者の可能性が高いのです。
私も軽自動車に乗る事は当然ありますが、基本、後席には誰も乗せません。特に子供などは絶対に有り得ません。
軽自動車は確かに維持費は安いですが、反面、安全性を犠牲にしている点は忘れてはいけません。
以前の記事にも書きましたが、私は軽自動車の規格は見直されるべきだと感じています。
結論を言うと広い室内空間と安全性はトレードオフの関係に有ります。
私は今まで仕事上様々な事故に立ち会ってきました。確かに軽自動車はいわゆる『チョイ乗り』が多く、あまりスピードを出したり、無茶な運転をする方の比率は相対的に低いと思います。
しかし、自分が気を付けていれば事故に合わないというのは当然ですが間違いです。
そして、メーカーは快適性の追求より『安全性』の優先順位を上げるべきだと感じます。
最後になりますが、良くチャイルドシートを軽自動車の後席に設置している方がいますが、プロの意見では絶対に止めるべきです。人を乗せるのであれば助手席に乗せる、それだけで事故のダメージを大きく軽減出来るのです。
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