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ついにディーラー淘汰の時代に突入か…。

 

 

トヨタは先日、100%子会社のトヨタ東京販売ホールディングス(TSH)と、TSH の100%子会社である『東京トヨタ自動車』、『東京トヨペット』、『トヨタ東京カローラ』、『ネッツトヨタ東京』の4社を統合し、新会社を設立すると発表しました。

 

 

 

 

これにより、組織体制を今までの『チャネル軸』から『地域軸』へと変革し、地域との連携強化を目指す、との事。

 

 

 

 

確かに、これだけ聞くと『なるほど』と思いがちであるが、実は今回の変革の核心はディーラーの淘汰にあると感じています。

 

 

あまり大きく報道されませんでしたが、2017年10月トヨタはある重要な意思決定を行いました。

それは、20年半ばまでに『販売車種を現在の半分程度にまで絞り込む』事です。

 

 

実際問題、これを行うと様々な問題が発生します。

一番の問題はディーラーの数です。

 

各自動車会社は今まで、販売チャネルを複数設け、取扱い車種を分散化する事で地域間の競合を防いできました。しかし、車種が半分になる事に、このチャネルの維持が困難になってくるのです。

 

そうなると、ディーラーの数を減らす必要が出てきます。ただ、それは簡単な事ではありません。

 

 

実は、街中にある自動車ディーラーには2通りがあります。

『メイン・ディーラー』と『サブディーラー』です。

 

サブディーラーというのはメーカーとの資本関係は一切なく、メーカーの看板は上げていますが、比較的小規模な店舗をさします。

仕入れはメイン・ディーラーを通じて行います。

 

一方、メインディーラーはメーカー系列で一般的に私たちが『ディーラー』と呼ぶ存在で、仕入れはメーカーから直接おこなえます。

 

しかし、実はこの中でも見た目では分かりませんが2つの形態があります。

それは、『メーカー系』と『地場系』です。違いは簡単でメーカーの資本が入っているか、どうかの差です。

 

歴史的に各メーカーは全国にディーラー網を整備する為、自社だけでなく、各地域の有力業者の力を利用する事でその販売経路を確保してきました。すなわち、有力者に各メーカーは専売権を与えて自分のグループに引き入れた訳です。

 

ただ、そこに資本は入っていませんので独立した存在な訳です。

 

 

ディーラーの統合を行う場合、問題になってくるのはこの『地場系ディーラー』の存在です。

 

あくまでも私の予想ですが、トヨタは長期的に見てこの『地場ディーラー』の排斥を狙ってるのではないかと思ってます。

そして、今回の統合は、その布石ではないか…。

 

 

実際、ディーラー数を減らすとなると今の体制では問題が複雑化します。

 

例えば、『カローラ系列は10店舗減らすのに、ネッツは何で6店舗しか減らさないんだ!!』みたいな問題が出てくる訳です。

 

でも、その判断は各チャネル一律にというのは難しく、店舗の立地だったり、社内の力関係など様々な要因で決まります。それなら統合して同じ組織にした方がやり易い訳です。

 

 

また、トヨタが車種を減らすとなると他のメーカーも追随する可能性があります。日本の市場は高齢化とクルマ離れによって、毎年衰退しているからです。

 

新車が売れなくなると、当然その影響は私達中古車業界を直撃します。

何か凄く暗い話になりますが、私自身いつまでもクルマに依存するのは危険ではないかと思っているのです。

将来がどうなるかは分かりませんが、各メーカーの動向は注意深く見て行く必要があると思います。