事故の際には頼りになる保険屋さん。皆さんはそんな印象をお持ちだと思います。
一方、クルマ屋さんにとって保険屋さんはまさに『カモ』。
言葉は悪いですが、事故の際ここからいくら搾り取れる!? かが非常に重要になってきます。
今回は、『保険屋 VS クルマ屋』の仁義なき戦い、そんなお話です。
現在、ネット保険全盛の時代。自社で保険に加入してくれるお客さんはクルマ屋さんにとって、まさに『上客』と言えます。その為、その『上客』が事故を起こされた場合は、私達クルマ屋は保険屋からいくら現金を引き出せるか?という事が非常に重要になってきます。これにより、お客さんの負担額も少なくなりますし、店の儲けも大きくなる為、普段温厚なクルマ屋さんも保険担当者には『鬼』に変貌するのです。。。。
ここで重要になってくるのが『過失割合』。
車両保険に入っているお客さんは全額が保険でカバーされますが、加入していないお客さんは過失分は自腹で払う事になります。
ですので、ここは徹底的に『ゴネます!!』
その際便利なのが『弁護士特約』です。数千円で入れる特約ですが、事故の際の威力は絶大です。
しかし、保険屋さんは当然その料金を自分で負担しないといけないので、『弁護士が入ってもそんなに変わりませんよ。』と、遠回しに言ってきますが、そこは断固『いえ、お願いします!!!』とゴリ押し。
経験上、弁護士が入ると、相手の保険会社も折れる事が多く、10~20%の過失割合ならどうにでもなるという印象です。
そして、事故の際頼りになるのが板金屋さんです。
実際、事故の大きさにもよりますが事故車の被害状況を精査する為、保険会社は『アジャスター』という審査員を送り込みます。事故の後は、大概すぐに板金屋に搬入する為、このアジャスターは板金屋さんと対峙する事になります。
保険修理の原則は、クルマを事故前の状況に戻す事。その為、かなり小さな傷でも修理の対象になります。
正直コンパウンドで磨けば取れる傷でも、『要塗装』となる訳です。
出来る板金屋はここでストーリーを作ります。
すなわち、一見事故とは関係ない傷でも、
『いいか!! ここでミラーが折れた時にその破片が飛んできて、ここに傷が出来たんだ!!!』
もう完全に『ヤカラ』です。とにかく、無理難題・屁理屈を並び立てて修理箇所を増やします。たちの悪いとこは自分で薄い傷を付けて。。。⇐ コレハンザイデス。。。
板金屋に必要なのは修理技術よりも、この押しの強さ。善人では決して務まりません。
とにかく、ゴリゴリに押して1円でも多く搾り取る、まさに保険屋は『カモがネギを背負った』存在と言えます。
数年前の話ですが、以前こんな事がありました。
当社の常連客のお客さんが全損事故を起こしてしまいました。クルマは『インプレッサWRX Sti』というバリバリのスポーツカーです。
幸いお客さんに怪我は無く、車両保険も入っていた為、新しい新車を購入する事になりました。
そこで、問題となってくるのが、この全損した『インプレッサ』の存在です。実はこのクルマ、廃車になってもエンジンだけで100万円以上で売れるんです。。。その他、使える部品を考えるとそれ以上。。。
当然、保険屋さんはその車両を回収したいと思います。でも、これ実は引き渡さないといけないという明確な規定は無いんです。。。
ただ、金額が大きいんで保険屋も執拗に攻めてきます。ただ、うちもオイシイ話なんで、お客さんと協議し、利益は折半することで合意。徹底抗戦で臨みました。結果、3カ月後、保険屋さんがついに根負けしてしまい見事勝利!!!
お互い数十万円の『ボーナス』を手に入れたお客さんと私は焼き肉屋で祝杯を挙げたのでした。
という訳で、保険屋さんって罪悪感無しにお金を絞り取れる便利な存在だったりします。
就職で将来、保険会社に就職を考えている方がいれば、結構ストレスが溜まる仕事だと思いますので気を付けて下さい。。。
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