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なぜ『シビック・クーペSi』は日本導入されないの?

 

 

先日、改めて『新型シビック』に試乗する機会があったのですが、やっぱり良い出来だと再認識しました。そこで、ふと思うのが『Si』グレードです。

 

 

昔からのホンダファンの方には懐かしいグレードだと思いますが、元来ホンダはスポーツ系の上級グレードに『Si』という名前を与えてきました。

 

 今回のモデルチェンジで北米仕様には、セダンと日本未導入のクーペに『Si』が設定されましたが、日本導入は見送られてしまいました。

 

 


 

 

もちろん、日本には『タイプR』というスポーツ・グレードはありますが、450万円を超える価格に320馬力、正直足回りも硬いですし、ここまでのスペックは必要ないよ、というユーザーも多いと思います。

 

 

その点、日本導入のハッチバックの182馬力に対して『Si』は208馬力の1.5リッター・ターボエンジンを搭載している為、日本国内でも非常に扱いやすいものであると言えます。

 

 

それに個人的な意見としては、『タイプR』はスゴイ良いクルマなんですけど、デザインがコテコテし過ぎて、あまり好きになれないんですよね。

 

 

そんな私にとって、通常グレードよりモア・パワーを得られる『Si』はピッタリのグレードなんです。タイプRのスペックだと公道ではその性能を使いきれないですし、普段の乗り降りを考えると、あのバケットシートはちょっとしんどかったりもします。

 

 

 

 

価格の方も日本円に換算すると270万円位でお手頃ですし、BRZや86と競合できるクルマとして一定の支持は得られると思います。

 

 

かつてはスポーツカーと言えばホンダという時代がありました。

 

今とは違い沢山のスポーツカーが存在し、F1ではアイルトン・セナがプロスト、マンセルという強豪を抑え込み表彰台の中央に立つ、まさに『走りのホンダ』という企業イメージを前面に押し出した時代でした。

 

 

しかし、時代は変わり今やホンダと言えば軽自動車やワンボックスを連想する事に一抹の寂しさを覚える昔ながらのファンも多いと思います。私もその中の1人なんですが、もう一度『走りのホンダ』を体感したい、そんな人間にとって『シビックSi』はピッタリだと思います。

 

 

クルマの楽しさを表現するには『使いやすいハイスペック・カー』の存在が不可欠です。確かに猛獣を力で抑え込むようなガシガシの高性能マシーンも楽しいですが、普段乗りには不向きです。

 

 

公道でその性能を使い切れるエンジンと、まるで手足のように扱えるシャーシ、それを体現してるのが現在のマツダであり、スズキのスイフトに代表されるクルマです。彼らの最近の躍進はまさにそこが起因しているのです。ぜひ、ホンダにもそれに続いて欲しいものです。