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中国産のレクサスなんていらない??

世界の工場から世界の市場へと脱皮を果たした中国。現在世界中の自動車メーカーが相次いで中国での現地生産を拡大しています。そんな中、レクサスは現在も日本からの輸出に拘わり販売を続けています。

果たしてレクサスの戦略とは??

 

 

先月24日、中国メディアである今日頭条にこんな記事が載りました。

 

『レクサスが現地生産を行わないのは、中国製造業を見下しているからなのか?』

 

確かにヨーロッパを代表するベンツ・BMWなどは早い段階から現地生産を行っています。そんな中、日本での生産に拘るレクサスの姿勢に対し、疑問を投げ掛けたのです。

 

ただ、続けて高い技術力を要するレクサス車の生産は日本でも限られた工場でのみ行っており、現在中国向けの車両が生産されている九州地方とは僅か800㎞しか離れていない、とも論じました。

 

確かに、経済合理性から考えれば、販売される土地で生産する、という事が最も理に適っているはずです。

 

しかし、一方に於いて海外への技術移転というのは非常に難しい問題でもあります。実際、中国にあるドイツ車メーカーでは品質面での問題が多発しており、品質保持には手を焼いている状況です。その為、イタリアのフェラーリ社のように、生産拠点をモデナに集約し、そこから全ての国に輸出するという戦略を取る事でブランドの価値を維持する、という方法はある意味においては合理的な判断と言えるのです。

 

以上のような理由から中国頭条は最後に、

 

『レクサスが現地生産を行わない事は生産リスクを排除する為であり、非常に合理的な判断である。今後も中国での現地生産は暫く無いだろう』と論じました。

 

確かに、トヨタの豊田章男社長が中国版ツイッター『ウェイボー』のアカウントを取得した際、中国のネットユーザーからは、「レクサスの中国現地生産は止めて欲しい。」というコメントが多く寄せられ話題になりました。その他にも「中国産のレクサスなど欲しくない」や「中国にはレクサスを組み立てられる技術者は居ない。」と言った書き込みも多くあったそうです。

 

やはり日本で生産され、高い品質を持っているからこそレクサスである、という価値付けがプレミアム・メーカーとしての誇りなのかもしれません。

 

ただ、最近の日本製品は品質に疑問府を与えるような事例が頻発しているのも事実です。

 

『物作りの日本』こそがブランドであり、そこが崩れてはこの国は成り立たなくなります。もう一度その事実を受け止め、再出発する事こそが最大の課題だと言えます。