ガソリンスタンドなどでオイル交換をする場合、良く『上抜きにしますか?それとも下抜き?』と聞かれる場合があると思います。これは果たしてどういう意味なんでしょうか?
今回は最も基本的なメンテナンスであるオイル交換についてお話していきたいと思います。
エンジンを心臓に例えるならエンジンオイルは人間の血液にあたる部分です。人間なら自ら血液を洗浄する機能を有しますが、クルマはそうはいきません。定期的な交換が必要になってきます。
エンジンオイルには使用するにしたがって金属の屑(スラッジ)や水分が混入し、それによりエンジンの能力を十分に発揮出来なくなります。
その為交換が必要なんですが、それには2通りの方法があります。
いわゆる、上抜き・下抜きというやり方です。
まず、下抜きとはオイルの保管庫である『オイルパン』のドレインボルトを外し、下から抜き取る方法です。
図を見て頂ければ分かりますが、この方法だとボルトを外す事によりオイルの全量を抜き取る事が可能です。
また、このボルトですが実は磁石の役割も果たしておりエンジン無いの摩擦で生じた鉄粉(スラッジ)を再び循環させないよう磁力の力でスラッジを集める役割があります。
オイル交換でボルトを外した際にはそのスラッジを除去出来るという長所もあるのです。
ただ、一般的にこのドレインボルトはメーカーにより異なったあ工具が必要な場合も多く、特に輸入車などは次で挙げる『上抜き』で行われる場合が多いと言えます。
上抜きとは文字通り上からオイルを吸い出す事を指します。
オイル交換の際のトラブルとして、ボルトの閉めが不十分であったり、ボルトを外す際に『ネジ山』を壊してしまう事があります。
上抜きの場合はボルトに触らない為、その心配はありません。
また、ジャッキアップの必要が無い為、手間が掛からず短時間で行えるというメリットがあります。
ただ、一方において吸い残しが発生し、厳密な意味での全量交換が出来ないというのがデメリットです。
現在、ガソリンスタンド・カー用品店・一部ディーラーではこちらの方法が主に使われています。
2通りの方法を説明してきましたが、基本的には『下抜き』を推奨します。
上で挙げたメリットに加え、車体をリフトアップして、下から作業する事により『オイル漏れ』などが早期で発見出来る場合が多く予防的な検知からも優れていると言えます。
ただ、最近はエンジンを保護する為にアンダーパネルを装着するクルマも多く、それを外すのに多くの手間を要する場合もあり、ディーラーでも上抜きを行う店が増えてきました。
この辺りの整備性の問題はメーカーにも責任はありますが、このオイルを吸い出す機械も年々性能が向上し、残オイルの量も少なくなる傾向にはありますので、それ程神経質になる事もないと思います。
ただ、新車で買われた場合乗り出しはどうしてもエンジンの摩擦から出る鉄粉の量が多い傾向にあります。この時に上抜きをしてしまうとボルトの磁力で集めきれなかった鉄粉が再びエンジン内に戻ってしまう為、あまり良い事はありません。
ですので、1万キロ走行時位までは下抜きをおススメします。
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