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ウーバーとリフト、SBはどちらに出資すべき??

昨日ブルームバーグからソフトバンクがウーバーに出資を決めたとの報道がなされましたが、本日ソフトバンクからまだ未決定でライバル会社『リフト』への出資もあり得る、との声明を出しました。どうやら決まったかに思えた事案でしたが条件面でまだ折り合ってないようですね。

 

 

このような状況を踏まえると、リフトへの出資も十分あり得るのではないでしょうか?

正直私は、孫さんがウーバー首脳陣へのいわば『脅し』の為にリフトを引き合いに出しているのではないか?と考えていました。

 

しかし、リフトという会社を調べていくにつれ十分可能性のある会社である事が分かります。

 

確かにウーバーの知名度はダントツで規模も大きいです。一方リフトはアメリカ国内でしか事業をしていませんし、規模もウーバーの後背を配してます。現状では大きな差が存在します。

 

あるデータによるとライドシェアを利用したことがあるという人を対象にしたアンケートでウーバー利用が80%、リフトが20%という結果でした。

しかし、増加率でいうとウーバーが200%に対し、リフトが246%と、特に大都市圏を中心に追い上げてきています。

 

これはリフトの徹底的に顧客満足に拘る経営方針が功を奏したもので、この点でウーバーを大きく引き離していると言えます。

 

 

 

 

そして、無視出来ない動きがグーグルの子会社である『ウェイモ』がリフトと自動運転についての提携を行うと発表した事です。リフトは出資会社の1つであるGMも商用車の自動運転テスト運用を始めると発表したばかりです。

つまり、グーグルとGMというアメリカを代表する企業の2社がリフト陣営に付いたという事です。

 

財務状況については両社が赤字ではあるが、ウーバー28億ドルに対し、リフトが6億ドルとリフトの方が早期に黒字化する確率が高い上に、早期の上場を考えている事が伝わってます。

 

ガバナンスでゴタゴタ続きのウーバーは2年を目途に上場の準備をすると発表してますが、不透明な部分もあります。

 

恐らく、どちらに出資するにしても株式の保有割合が最大のネックになると思われます。ウーバーに関し14~20%の保有を求めるSBなら2位のリフトに関してはそれ以上の保有を求めると予想されます。グーグル・GMと言った手強い相手に対し、どこまでの条件を引き出せるか?非常に興味深いです。

 

資本金も3日で使い果たしたり、年間総売上額に充当する企業買収など今日まで様々な逸話を築いた孫社長(仕事に夢中になり自分の結婚式に遅刻した事もあったとか・・・。)ですが、今回の戦いに無事勝てるのでしょうか?

 

しかし、この人はホントにやる事のスケールがデカイです。

だから、年間『兆』を稼ぐ企業を1代で築いたのでしょうが、60歳を過ぎても衰える事を知りませんね。

 

今後しばらく目が離せません。