今回2度に渡る台風の襲来は日本中に様々な傷跡を残しました。特に被害が大きかったのが九州地方でした。
今回、そんな深刻なダメージを受けた九州を救援に向かう為、日本にたった1台だけ配備されている全地形対応型車『レッドサラマンダー』が派遣されました。
「全地形対応」をうたう、日本でたった1台しかない消防車両が、愛知県岡崎市の岡崎市消防本部に配備されています。荒れ地や泥濘路はもちろん、がれきや溝をも乗り越え、さらには水に浮いて進むことも可能で、消火活動や災害救援活動などあらゆる状況の活動に従事するという、その名も「レッドサラマンダー」です。
「レッドサラマンダー」は全長8.2m、全幅2.2m、高さ2.6m、重量約12t。最大積載量は4400kgで、車両の前部に4人、後部に6人が搭乗可能です。足回りにはゴム製クローラー(いわゆるキャタピラ)を採用し、最高速度は時速50km、最大登坂能力は50%(坂の傾斜角でおよそ26.6度)、最大60cmの段差や最大2mの溝を乗り越えられ、水深1.2mまでなら走破可能です。上述のように水に浮くこともでき、その際はクローラー部分が水かきの役割を果たします。製造元はシンガポールの軍需関連企業であるSTキネティクス、国内販売代理店は消防車両最大手のモリタ(兵庫県三田市)です。
このように災害の際は非常に頼もしい同車ですが、1億円の巨費を投じて配備されたにも関わらず4年間一度も出動の機会が与えられませんでした。
ただ、この巨体です。燃費はリッター/1㎞とかなり悪いらしく、トレーラー、自衛隊の輸送機を乗り継ぎ現地入りしました。
洪水により荒れ果てた被災地では機動性の悪い消防車などは無力です。現地では非常に頼もしい存在として重宝がられたと思います。
最近異常気象と思われる現象が多発しています。このようなクルマが活躍する場面は無いに越したことはありませんが、この先、その重要性は益々増加して行くような気がします。
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