今、中国が一躍電気自動車(EV)先進国へと変貌を遂げようとしています。
きっかけは、深刻な大気汚染に悩む中国が国内で販売を行う自動車の10%をEV化する事を義務とする規制を早ければ来年から施行する見解を示したことです。
中国では毎年、大気汚染が原因で推定110万人の人が亡くなっていると言われています。
中国政府も、もはや無視出来ないレベルに悪化した環境に対し、『青い空を取り戻す』というスローガンを掲げ、改善に取り組む姿勢を打ち出しました。
今回の規制はその一環として決定されました。これにより各自動車メーカーは急遽対応に迫られる事態となったのです。
これに慌てたのが日本企業。
トヨタは急遽C-HRをベースとしたEV専用車種を投入する事を決定しました。
しかし、トヨタの本音はまだまだハイブリッドで引っ張りたいという事。
何といってもドル箱ですからね。
ただ、その考えがEVへ本腰を入れられないハードルとなっている事は否定出来ません。
それに対し海外勢は動きが速いです。
5月には『フォルクスワーゲン社』がEVに特化した開発・生産を行う為の合弁会社を現地企業と設立する事を発表。
現在EV最大手のアメリカ『テスラ社』も上海に合弁での巨大工場建設を発表しました。
国内メーカーでは日産が現地法人を設立しただけで他メーカーは遅れ気味です。
採算性を含め多くの課題がありますが、この流れをキャッチアップ出来なければ今後の世界市場での構成図が大きく変わってしまう事は確実です。
今、早急な経営判断が迫られています。
日本はハイブリッドで成功し過ぎた為、それが足かせとなっています。
一方、ディーゼルで失敗したヨーロッパ企業にためらいはありません。
今、求められるのは『捨てる勇気』なのです。
いかに敏速に方向転換が果たせるか?
次世代自動車市場の動向はそれに掛かっていると言えます。
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