イタリアで開催されたメルセデス・ベンツの国際試乗会に参加した。今回乗ったのは「Sクラスクーペ」で、同社のフラッグシップクーペである「CLクラス」の後継モデル。ベースとなるのは2013年にフルモデルチェンジした「Sクラス」で、14年3月のジュネーブショーでワールドプレミアされた際に「Sクラスクーペ」と名が改められた。 イタリア、トスカーナのワインディングを中心に試乗したのは、最高出力335kW〔455ps〕/5250~5500rpm、最大トルク700Nm/1800~3500rpmを発揮する4.7L V8直噴ツインターボを搭載した「S500クーペ」と、最高出力430kW(585ps)/5500rpm、最大トルク900Nm/2250~3750rpmを発揮する5.5L V8直噴ツインターボを搭載した高性能の「S63AMGクーペ」だ。それぞれにFRの二駆モデルと、四駆の4MATICが用意されている。 最大の特徴は、二駆モデルに搭載される「カーブチルティング」機能だ。ステレオマルチパーパスカメラが路面をスキャンしてサスペンションを調節する「マジックボディーコントロール」を進化させ、コーナーに合わせてボディーを内側に傾け、乗員に働く横Gを軽減して、より安定して座れるようにしたものだ。メルセデスでは、「郊外の道路で、カーブでのハンドリングと乗り心地を改善するもの」と説明していて、オートバイやスキーのコーナリングを思い浮かべていただければ分かりやすい。試乗中、「おーっ、効いてる!!」「すごいねーっ!」「おぉぉぉーっ!」連続するコーナーを抜けるたびに車内は騒然となった。
メルセデス・ベンツ日本(東京)は10日、最上位機種「Sクラス」からクーペを発売した。ヘッドライトには、宝飾ブランド「スワロフスキー」のクリスタルを片側だけで47個配し、高級感を演出。Sクラスのクーペは18年ぶりで、上野金太郎社長は「他ブランドに流れた顧客を取り返したい」と語った。 歩行者などを検知し、アクセルやブレーキを自動的に作動させる安全運転支援システムを搭載したほか、カーブを曲がるときに車体を内側に傾ける「ダイナミックカーブ機能」を量産車としては初めて導入した。エンジンは排気量4700cc、5500cc、6000ccの3種類で、価格は1690万~3120万円。