残価設定ローンって何?

某量販店によって始められた「残価設定ローン」。現在は、普及が進みディーラーでも取り扱うようになりました。

 

システムが若干難しい為、良く理解出来ないという方もいらっしゃると思います。今回は、こんな「残価設定ローン」を分かりやすく解説して行きたいと思います。


「新車が半額」という広告を見られた方もいると思います。あれが、残価設定ローンなんです。

まず、通常の買い方との一番の違いは何か?

それは、クルマの『将来価値』というものを基準にクルマを選ぶという事です。
クルマのコストパフォーマンスを語る時、車両価格にどうしても目が行きがちです。でも、果たしてそうでしょうか?

残価設定ローンの仕組み

実質的なクルマの値段とは、

買った値段 - 売った値段 = クルマの値段

なんです。車両価格が安くても売るとき安ければ高い買い物で、またその逆も当然あるという事です。

クルマの仕事に携わる人間は、このリセールバリューの高い車種というものを良く理解してますが、一般の方はあまりピンとこない方も居ると思います。


「残価設定ローン」とはまさに、このクルマの将来価値情報を買う際に提供し、上手なクルマ選びをして頂く事を目的に生まれたものなんです。

仕組みについては、様々なやり方で運営している会社がありますので一概には言えませんが、オーソドックスな手法で説明したいと思います。 

 

まず、クルマの残価率が車種毎に設定されてます。仮に残価率50%のクルマがあったとすると、
「100万のクルマを3年後に50万で買取ります。」
という事を保証するという事です。

(車種の中でも、例えば色が黒だと52%、ナビ付きだと53%・両方だと55%など、装備によっても細かく規定されます。) 

そうなると、アクアが残価率53%でマーチなら35%などクルマに詳しく無い方でも将来価値が一目瞭然となります。


違いが顕著なのは、ローンの支払い方です。
通常ローンだと、月々の支払いは均等です。
しかし、残価設定の場合は違うのです。

仮に、車両価格100万円、残価率60%のクルマがあったとしましょう。ローン期間は6年です。
まず、6年ローンを前3年と後ろ3年に分けます。

このクルマの場合、3年後に60万で買取る事が保証されているので、前3年で40万を月々で払います。3年乗った後、乗り換えたいと思った場合は、丁度、クルマの価値が60万で残債額も60万になってますので、そのまま売却してしまえば追い金は必要なくスムーズに乗り換えられます。

 

一方、乗り続ける場合は、後の3年で60万円を月々払う形になります。

残価率の低いクルマの場合は前3年の月々支払いが大きくなる為、このシステムは向きません。

基本的にこのシステムは3年ごとに次々と乗り換えて行く事を前提としています。というのは、初めの3年間はメーカー保証もついており、仮に故障しても費用は必要ありません。


クルマにお金が掛かりだすのが、保証の切れた3年後からなんです。一番大きいのはもちろん車検です。
その為、出来るだけお金を使わず、まだクルマの価値が高いうちに乗り換えて行く事で上手に乗りましょうというシステムなんです。
 


メリット

・  将来の買取価格を保証して貰える為、仮に事故などを起こしても安心。


・ 全メーカーの車種を取り扱ってる為、他車との比較が容易。
 
・ メーカー保証で修理が可能な為、予想外の出費が無くなる。

 

デメリット


・ 基本は値引きが一切無い。

・ 残価率の低い車種には向かない。

・  車両保険への加入が必須である。


 

ただ、この残価率は売り手にとって安全圏の料率に設定されていることが多いです。

 

私の経験上、3年後戻ってきて損をしたという事殆どなかったと記憶しています。

強いていれば、事故を起こした時はかなりお得ではありますが、それを期待するのもどうかと思いますので・・・・。


売り手にしてみれば、戻ってきたクルマでも若干儲けが出るだけでなく、3年後に再び新車が売れる為、ある程度の顧客規模になれば経営がかなり安定します。

 

であれば、このシステムが全く意味が無いかといえば、そうでは無く、この残価率という考え方はクルマを買う上で非常に重要なんです。
もし、気に入った車種が何台かあるのであれば、一度、訪ねてどの車種が残価率が良いのか聞いてみるのも良いと思います。

また、通常ディーラーでは自社の商品の欠点などネガティブな情報は手に入りません。一方そういう量販店では全ての車種を扱ってる為、より率直な意見が聞けるのです。

私自身、この車種は故障が多いとか、良く異音が出るなど様々な車種毎の印象があります。このような情報は決してディーラーでは聞けない為、ユーザーにとってはかなり有益なものとなるはずです。

クルマを買う際は、そういった様々な情報を幅広く収集する事が重要です。雑誌やネットなどでも車種の情報を得る事もできますが、実際のところメーカーから金を貰って記事を書いているモータージャーナリストも多く、フラットな視点でみた情報というのは貴重です。